第2章「たずね求める 周縁、国外でのフィールドワーク」では、民家研究や民具調査など、「民」をめぐる実地調査に焦点を当てる。近代化する社会のなかで、農山漁村や周縁地域、さらには国外へと足を運んだフィールドワークは、失われゆく生活文化を記録し、未来へとつなぐ役割を果たした。
財界人でありながら研究者としても精力的に調査を行った渋沢敬三が構想した国立民族学博物館計画や、今和次郎、山本鼎らによるアジア各地での民俗・工芸調査資料からは、学術と実践が交差するダイナミズムが浮かび上がる。


第3章「夢みる 都市と郊外のコミュニティ」では、関東大震災後の都市再編を背景に生まれた郊外アトリエや芸術家コロニーを取り上げる。蔵田周忠による最小限住宅の構想や、詩人・建築家であった立原道造が思い描いた芸術家コロニーの計画は、モダンで快適な共同体への夢を体現するものだった。

また、同時期に多くの芸術家たちが生活と制作の拠点としたアトリエ村のひとつ、池袋モンパルナスも紹介される。松本竣介、麻生三郎、寺田政明らの作品を通して、彼らの交流から生まれた「新人画会」の理想が、戦後美術へと引き継がれていく過程が示されている。





















