下呂市を舞台にした新たな国際芸術祭「下呂 Art Discovery 2026」が開催決定。その見どころとは?【2/3ページ】

 会場は大きく3つのエリアから構成される。飛騨川沿いの温泉街の街並みや合掌村がある「下呂エリア」、自然豊かな南飛騨健康増進センターと荻原商店街を舞台とした「荻原エリア」、築70年の旧湯屋小学校が舞台となる御嶽山の麓の「小坂エリア」だ。

 現在予定されている作品プランをいくつか紹介したい。「下呂エリア」内の下呂温泉街で作品を展開するのは、「南飛騨 Art Discovery」にも参加していた弓指寛治だ。温泉街の地下2階建ての会場を舞台とし、その土地に生息する魚や動物、さらに下呂で生きる人々をモチーフとした絵画や立体作品が展開される。下呂温泉に訪れた人が、下呂という土地の面白さに気づけるような作品を目指すという。また台湾出身のアーティストであるトゥ・ウェイチェンは、飛騨の伝説に出てくる神様と龍の骨が化石として発掘された遺跡を表現する巨大な作品を手がける予定だ。

弓指寛治

 続いて、宿場町として栄えた側面もある「萩原エリア」では、「南飛騨 Art Discovery」の会場でもあった県営の施設「南飛騨健康増進センター」が会場のひとつとなる。ここでは、食をテーマに制作を行うEAT&ART TAROの作品が展開される予定だ。今回は会場の名前にもある「健康」に着目した作品を手がけるという。また、自然との共生をテーマに制作を行う鈴木初音、自分に影響を与えた人物を木に見立て森をつくる彫刻家・村上力も作品を発表予定だ。飛騨高山出身の橋本雅也は、森の中で木彫作品を制作することを試みる。

村上力

 同じエリア内の萩原商店街でも複数のアーティストが作品を展開する。諏訪神社を舞台に発表するのは、リトアニア出身のアーティストであるスタシス・エイドリゲヴィチウスだ。世界各国で100回以上の個展を開催してきたスタシスは、諏訪神社に伝わる蛇の伝説を参照した彫刻作品を制作する。じつはリトアニアと岐阜県は、ユダヤ人避難民を救うための「命のビザ」をリトアニアで発行した岐阜県出身の元外交官・杉原千畝を縁に、様々な分野において交流を進めている。ほかにも、商店街のなかにある旧楽器店、旧銀行、旧理容店を会場とした、この土地でしか見ることのできない展示が展開される予定だ。

 そして「小坂エリア」では、築70年を超える旧湯屋小学校が会場となる。ここでは、本芸術祭にあわせて実施されているアートプロジェクト「みんなの学校」が開催される。少子化や廃校の増加、教育制度や現場での様々な課題を背景に出発した本プロジェクトは、授業、給食、休み時間、入学式、運動会、自由研究といった学校にまつわる様々な切り口から、「こんな学校あったらいいな」と思うアイディアを公募し、実現するもの。「学校」という誰もが身近に感じやすいテーマをもとに集まった250件ものユニークなアイデアのなかから、何がどのように旧湯屋小学校に展開されるか要注目である。