11月29日、東京文化会館大ホールにて、舞台作品『黙るな 動け 呼吸しろ』が上演された。
本公演は、東京都のアートプロジェクト「TOKYO FORWARD 2025 文化プログラム」の一貫であり、「ろう者とろう文化に対する社会的認知の向上」と「ろう者と聴者が相互に理解を深めること」を目的として制作されたものだ。総合監修を東京藝術大学学長の日比野克彦が、演出を牧原依里と島地保武が、ドラマトゥルクを雫境(だけい)と長島確が務めている。
当日は、聴文化・ろう文化それぞれを背景に持つ多様な人々が一堂に会し、会場では音声ガイドや字幕タブレットの予約貸出も行われていた。


ストーリー
まわりを霧に囲まれたまち。
建国記念日の式典が行われている。
そこへ1人の男、チャトが迷い込んでくる。
霧を抜けて別のまちからやって来たのだ。
この《霧のまち》は、浮遊し移動するまちである。
音という概念がない世界で、言語は身体だ。
独自の文化が発達し、あらゆるものがこのまちの住人に便利なようにできている。
長い年月のなかで周期的に「もうひとつのまち」に近づくが、霧に遮られ、互いに知らない。
迷い込んできた男は、「オンガク」を伴う式典の様子に見とれる。
やがて住人3人と親しくなり、このまちで暮らすようになる。
2年が過ぎ、男は3人を「もうひとつのまち」へ誘う。
そのまちの名は《百層》。
一極集中が進み切った超高層巨大都市である。
音の文化が発達し、言語も音声である。
一方で、人口過密ゆえに騒音問題が深刻化し、極度に静寂が求められている。
2年ぶりに戻った男は、3人にまちを案内する。
《百層》のさまざまな住人との出会いを通して、
やがて4人はコンサートに参加することになる……
(公式ウェブサイトより引用)





























