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「国松希根太 連鎖する息吹」(十和田市現代美術館)開幕レポート。自然と向き合い連鎖する創作の息吹【2/5ページ】

 会場は大きく4つのパートにわかれている。会場を入ってすぐの空間は「WORMHOLE 一時空をつなぐ森ー」と題され、巨木を用いた高さ2メートルを超える彫刻作品が6点並ぶ。「WORMHOLE」とは、「虫食い穴」という意味を指すのと同時に、時空を超えてワープする穴もしくは経路も意味している。まるで森を散策するように作品間を回遊できる構成であるため、作品を様々な角度から観察することができる。

 木材の特徴にあわせてそれぞれ形状が異なるが、手前に展示されている作品のみ青森産のヒバを、ほか5点は国松が活動拠点を置く北海道の木材を使用している。国松が使用する巨木たちは、どれも長い年月のなかで歪み、うねり、こぶを生み、穴が空き、腐食が進んでいるものである。ひとつとして同じ様子のものはなく、さらにそこに国松がチェーンソーや火を入れることで、各作品はさらに固有のものへと進化していく。

「WORMHOLE 一時空をつなぐ森ー」の展示風景より

 手前に展示されているヒバでできた《WORMHOLE》(2025)は、十和田にある木材店で選んだものを使用しているという。ヒバという青森の人にとっては馴染み深い素材を使った作品から、国松にとって青森ではじめての個展が広がっていく。

展示風景より、国松希根太《WORMHOLE》(2025)

 北海道のミズナラを使用した《WORMHOLE》(2023)は、滑らかな曲線を目で追いながらぐるりと作品を周回すると、ぎょっとするような大きなこぶが出現する。巨木の内側からまるで湧き出てくるようなその様子に圧倒されそうになるが、国松はこのこぶを生かすことで、巨木との対峙を試みる。

展示風景より、国松希根太《WORMHOLE》(2023)

編集部