第3章「茶の湯の友―春翠と亮太郎」では、住友家の茶の湯の「もてなし」を取り上げる。江戸時代の半ばごろより、茶の湯を饗応の一環とし、当主自らが茶を立てて客人をもてなしていた住友家。春翠もまた、大正期に茶の湯に心を傾けたが、亮太郎もまた、この茶会に幾度も参加していた。

会場には、春翠が茶会を催した茶室の写真とともに、四季折々の趣味を反映した茶道具の数々が並ぶ。《小井戸茶碗 銘 筑波山》(16世紀、朝鮮時代)といった器から、《瀬戸肩衝茶入 銘 打出》(17世紀、江戸時代前期)といった茶入、《青磁桔梗香合》(17世紀、明時代)のような香合まで、季節の風物を表現し、茶席を彩った数々の名品を堪能できる。


能と茶の湯を住友家の「もてなし」と位置づけ、そのために用意された貴重な品々が並ぶ本展。この域は遠くとも、人を招き、もてなすとはどのようなことなのかを楽しく考えさせてくれる展覧会だ。



















