「つぐ minä perhonen」(世田谷美術館)開幕レポート。ミナ ペルホネンのなかにある様々な「つぐ」とは?【4/4ページ】

「つぐ」とは何か

 皆川をはじめ、様々な関係者のインタビューで構成された「voice」を抜けると、最後のセクションとして「remix」へとたどり着く。このセクションは、サステナビリティを重視するミナの姿勢が垣間見えるものだ。ここでは、実際に顧客が着て修繕が必要になった服を公募し、そこに新たなデザインを加えてリメイクしたものが並ぶ。まさに本展テーマでもある「つぐ」ことを体現していると言えるだろう。

「remix」の展示風景
「remix」の展示風景
「remix」の展示風景

 なお会場に設けられたアトリエでは、会期中、実際に皆川が作業することもあるという(その日程は12月以降に明らかにされる)。

ミナ ペルホネンのアトリエ

 皆川は本展に際し、「デザインを見ることだけでなく、その奥にどんな『つぐ』があるのかを感じてもらいたい」と語りかけた。またミナ社長の田中景子も「おのおのが私にとっての『つぐ』は何かと自分に問いかけてもらえたら」と期待を寄せる。

 サイクルの早いファッションの世界で、独自の世界を築いてきたミナ ペルホネン。“つぐ”という言葉はまさに、「せめて100年続くブランド」にしたいという皆川の思いを実現するための核となるものだろう。

編集部