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「芸術未来研究場展」(東京藝術大学大学美術館)レポート。藝大が挑む“アートの社会実装”とは【3/3ページ】

 「アート×ビジネス」の領域では、藝大教育の社会実装を目指し、その効果や収益性、さらには未来に向けた事業展開について研究が進められている。会場には多様な企業との共同研究の成果が並び、アートとビジネスの双方の視点が交流・共有されている様子がうかがえた。

展示風景より、「CA SHIP 東京藝術大学・サイバーエージェント 社会実装支援プログラム」

 ほかにも、藝大と香川大学の連携事業「SIOME 東京藝術大学×香川大学 せとうち ART&SCIENCE」では、海洋環境を科学と芸術の力で発信するため、9名のアーティストらによるアプローチが展開されている。さらに、今月29日に上演が予定されている、ろう者と聴者が遭遇する舞台作品「黙るな 動け 呼吸しろ」プロジェクトも紹介されていた。

展示風景より、「SIOME 東京藝術大学×香川大学 せとうち ART&SCIENCE」
展示風景より、「SIOME 東京藝術大学×香川大学 せとうち ART&SCIENCE」
展示風景より、ろう者と聴者が遭遇する舞台作品「黙るな 動け 呼吸しろ」

 東京藝術大学という国立の芸術教育機関の実践からも見て取れるように、芸術文化の役割は拡張されつつあり、さらなる可能性を秘めている。今回の展覧会は、「鑑賞」のみならず「社会実践」としてのアートの力を知ることができる絶好の機会と言えるだろう。