展示は全5章で構成される。第1章「日本文学研究への道」では、少年期から戦後、そして日本文学研究へ向かうまでの足跡を、著作や書簡を通して追っている。16歳でコロンビア大学に進んだキーンは、在学中に『源氏物語』(アーサー・ウェイリー訳)に出会い、日本思想史を講じていた角田柳作を「先生」として仰ぐことで、日本文化への関心を一段と深めていった。



その後、ケンブリッジ大学大学院を経て、1953年には京都大学大学院へ留学。京都の街で伝統芸能に触れ、下宿先で親しくなった永井道雄や嶋中鵬二らを通じて日本の文壇にもその縁は広がった。第2章「黄犬(キーン)交遊抄 ─京都時代と文壇」では、谷崎潤一郎や三島由紀夫らをはじめとする文学者たちとの交流の様子が紹介されている。





















