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「オルセー美術館所蔵 印象派ー室内をめぐる物語」(国立西洋美術館)開幕レポート。印象派の画家たちはいかに室内を描いてきたのか【3/5ページ】

 19世紀には、都市を中心に公的空間と私的空間の区別が明確になり、憩いの場としての室内の重要性が高まっていった。第2章「日常の情景」では、印象派の画家たちが描き出した、室内での暮らしや日常の一コマを主題とする作品を紹介している。

展示風景より
展示風景より

 室内での生活は、主に家族や仲間内での演奏会、読書、針仕事、といった日常の楽しみが描かれた。なかでもブルジョワ階級の女性たちは、外を自由に出歩くことが許されていなかったこともあり、彼女たちの肖像が数多く描かれているのも特徴だ。

 とりわけ有名なのは、ピエール=オーギュスト・ルノワールによる《ピアノを弾く少女たち》(1892)だ。温かみのある色調と柔らかな筆致で描かれた室内の光景と少女たちの姿は、ブルジョワ家庭の理想的なイメージを表している。

展示風景より、ピエール=オーギュスト・ルノワール《ピアノを弾く少女たち》(1892)

編集部