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「『数寄者』の現代―即翁と杉本博司、その伝統と創造」(荏原 畠山美術館)レポート。時代を超えた数寄者の共演【3/4ページ】

 いっぽうの新館は、杉本の作品・コレクションを紹介する「数寄者」の現代Ⅱ―杉本博司 茶道具」(新館展示室1〜3)で構成。

 まず来場者を迎えるのは、これまでの杉本博司個展でも出品された来歴がある、杉本による屏風の大作《春日大社藤棚図屏風》(2022)だ。本作は、春日大社でデジタル撮影したものを和紙にプリントした作品。藤棚が満開になる直前の朝日が昇った直後に撮影されており、杉本が「鎌倉時代のような状況が出現し、ご神託が下ったような感じがした」と語ったものだ。

展示風景より、左が杉本博司《埴輪鹿親子》(2025)、中央が《春日大社藤棚図屏風》(2022)

 そのほか、マルセル・デュシャンの《泉》を本歌取りしたような《ガラス茶碗 銘 泉》(2014)をはじめとする数々な茶碗、本展で初披露となった杉本手捻りの《阿蘭陀手鹿香合》(2025)、開幕前日に運び込まれた最新作の《埴輪鹿親子》など杉本の写真以外の作品が、古美術と同列に並ぶ。

展示風景より、村野藤六(杉本博司)《ガラス茶碗 銘 泉》(2014)
展示風景より、杉本博司《阿蘭陀手鹿香合》(2025)

編集部