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「『数寄者』の現代―即翁と杉本博司、その伝統と創造」(荏原 畠山美術館)レポート。時代を超えた数寄者の共演【2/4ページ】

 展示は同館コレクションで構成する「数寄者」の現代Ⅰ―即翁 畠山一清の茶事風流」(本館2階展示室)から始まる。

 美術館としては非常に珍しく、柔らかな自然光が入る本館の展示室。ここに並ぶのは、畠山一清が1954年秋に催した新築披きの茶会の道具組を軸にした茶道具や軸物などだ。

重要文化財《割高台茶碗》(朝鮮時代)

 例えば古田織部が所持していたとされる重要文化財《割高台茶碗》(朝鮮時代)は、即翁が大阪の豪商・鴻池家の売立の際に入手したもの。同じく重要文化財としては、後期に《清滝権現像》(鎌倉時代)も見ることができる。同作は仏法とその信徒を守る護法神・清滝権現を描いたもので、水神であることから即翁が本業である荏原製作所との機縁を感じて入手したとされている。醍醐寺に伝来し、近代に原三渓が所有、その後即翁が譲り受けた。

 そのほか、一休宗純が60歳のときに書いた墨蹟《尊林号》(室町時代)、重要文化財《宗峰妙超墨蹟 孤桂号》(鎌倉時代)など、見事なコレクションが目を楽しませてくれる。

左が一休宗純墨蹟《尊林号》(室町時代)、中央は重要文化財の宗峰妙超墨蹟《孤桂号》(鎌倉時代)
展示風景より
展示風景より、《志野茶碗》(桃山時代)

編集部