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「ウィーン・スタイル ビーダーマイヤーと世紀末」(パナソニック汐留美術館)開幕レポート。時代を超えて花開いたウィーン文化のダイナミズムを見る【4/4ページ】

  第4章「ウィーン・エコーズ─『ウィーン・スタイル』の継承と共鳴」では、「ウィーン・スタイル」の精神が、世代と場所を超えてどのように受け継がれたのかを紹介する。

 陶芸家ルーシー・リーは、ウィーン工芸美術学校で学び、卒業後はウィーン工房とも関わりをもちながら作品を発表していった。イギリスへ亡命後は、機能性と優美さを兼ね備えた、きわめて洗練された陶磁器を制作します。彼女の作品には「ウィーン・スタイル」の美意識が息づいている。

展示風景より、左がヨーゼフ・フランク《フロアランプ》(1934[デザイン])

 ほかにも、グラーツ工芸美術学校で学んだのちフィンランドで活躍した陶芸家フリードル・ホルツァー=チェルベリ、ウィーン工房で活躍し、後に京都に拠点を移したフェリーチェ・リックス(上野リチ)、ホフマンに学びロースやウィーン工房の理念に影響を受けた建築家、ヨーゼフ・フランクなどの作品もここでは見ることができる。

 100年以上にわたりウィーンで育まれた、文化のダイナミズム。さらに100年後の現代を生きる人々が、文化をつくるとはどういうことなのかを改めて学ぶことができる展覧会といえるだろう。

編集部