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「BIWAKOビエンナーレ2025」会場レポート。近江の歴史と歩み、近江の歴史をつくる芸術祭【3/8ページ】

カネ吉別邸

 「カネ吉別邸」は近江牛のみを扱う「カネ吉」の所有する町家で、江戸期に繁栄を極めた元材木商の家であったと伝わっている。ここでは赤松音呂、小松宏誠、野田拓真、ガブリエラ・モラウェッツ、パオラ・ニウスカ・キリシ、幸小菜、伊藤幸久、マチュー・キリシ、ホセ・ルイス・マルティナットが展示をしている。

カネ吉別邸 撮影=編集部

 小松宏誠は、3Dプリンタで出力したパーツと和紙による羽根を組み合わせた、シャンデリア状の作品を土間で展開。陶やFRPを素材とした人体彫刻を中心に制作している伊藤幸久。人体のフォルムを探求するだけでなく、素材の意味性や場の特性を重視する伊藤は、伝統的な和室に椅子の上に立って本を読む少女像を出現させた。

展示風景より、小松宏誠の作品 撮影=平垣内悠人
展示風景より、伊藤幸久の作品 撮影=平垣内悠人

 幸小菜は言葉を記したガラスのかけらを雨だれのように天井から無数に吊り下げた。23年に世を去ったガブリエラ・モラウェッツによる作品は、建物の2階を縦横無尽に走るかのように、映写と記憶を巡るものだ。

展示風景より、幸小菜の作品 撮影=編集部
展示風景より、ガブリエラ・モラウェッツの作品 撮影=平垣内悠人

編集部