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「ルーシー・リー展 ー東西をつなぐ優美のうつわー」(国立工芸館)開幕レポート【3/3ページ】

 リーが渡英した当時、リーチがリーダーを務めるスタジオの陶芸家らは東洋陶磁に関心を寄せ、イギリスにおける表現の可能性を探っていたという。その影響からも、リーも同様に東洋陶磁に範を求めるようになっていったほか、1952年に開催されたダーティントン国際工芸会議では、濱田庄司らと交友を深め、のちにグループ展を開催する仲となった。第3章「東洋との出会い」では、リーチや濱田らの作品とともに、リーの東洋との関わりを紹介している。

展示風景より
展示風景より
展示風景より
展示風景より、ルーシー・リー《白釉鎬文花瓶》(1976)

 最終章となる「自らのスタイルへー陶芸家ルーシー・リー」では、上に向かって広がる独特なフォルムと、青や緑、ピンクといった鮮やかかつ優しい色合いが印象的な、リーの代表作の数々が並ぶ。長年続けられた釉薬の研究や、独自の造形、マンガン釉や掻き落としの技法などによる、リーならではの作風が際立っており、彼女の到達点をそこに見ることができるだろう。本展では、展示空間やライティングにも力が入れらているため、全方向からぜひじっくりと鑑賞してみてほしい。

展示風景より、ルーシー・リー
展示風景より
展示風景より、ルーシー・リー《ブロンズ釉花器》(1980)
展示風景より

編集部