• HOME
  • MAGAZINE
  • NEWS
  • REPORT
  • 「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京都美術館)開幕レポ…

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京都美術館)開幕レポート。ゴッホを世の中に伝えた立役者たちに迫る【2/5ページ】

 第1章は「ファン・ゴッホ家のコレクションからファン・ゴッホ美術館へ」。早速本章では、本展において重要なファン・ゴッホ家の3人の家族、テオ、ヨー、フィンセント・ウィレムが、フィンセントと並列されるかたちで紹介される。1853年のフィンセントの誕生から、1973年の国立フィンセント・ファンゴッホ美術館の開館までの大まかな年表も掲示してあり、フィンセントと家族にとっての大事な出来事を本章で学ぶことができる。

 第1章「ファン・ゴッホ家のコレクションからファン・ゴッホ美術館へ」の展示風景より

 続いて第2章「フィンセントとテオ、ファン・ゴッホ兄弟のコレクション」では、フィンセントとテオの2人が当時コレクションしていた作品が紹介される。彼らはともに十代半ばから画廊で働いていた。お互いに作品を購入し贈り合うこともしており、2人が生きた時代のほかの作家の作品傾向を見ることもできる。

 本章で展覧されるのは、ジョン・ピーター・ラッセル、エミール・ベルナール、ポール・ゴーガン、エドゥアール・マネなど、美術史に名を連ねる芸術家たちの作品。フィンセントやテオの交友関係も垣間見える

展示風景より、ポール・ゴーガン《雪のパリ》(1894)

 またフィンセントといえば、浮世絵に影響を受けたことでも知られている。画家になる前から浮世絵に触れていたフィンセントは、ファン・ゴッホ家に500点を超える浮世絵のコレクションを残した。会場にはその浮世絵コレクションとともに、浮世絵に対する感動を伝えるテオへの手紙の一節なども紹介されている。

展示風景より、溪斎英泉《夜の楼》(1849〜51)

編集部