続いて第1章「磁器芸術の芽吹き」では、ヴェルナーのデビュー作を含めた初期の作品が展覧される。
1928年、ドイツ・ザクセン州マイセンの近郊の町コズヴィッヒで誕生したハインツ・ヴェルナーは、1943 年にドレスデン芸術アカデミーの分校として設立されたマイセン養成学校に入学。入学後すぐに才能を見いだされ、1950年代には絵付師として認められる。
その後ヴェルナーは、1958年のライプツィヒ・メッセ(ザクセン州ライプツィヒで開催される見本市)で装飾デザイナーとしてデビューしたのち、マイセン創立250年にあたる1960年に、伝統を守りつつも時代に即した新しい創造を生み出すべく立ち上げられた「芸術の発展を目指すグループ」の設立メンバーに選ばれる。
会場に展示されている《エンゼルフィッシュ》花瓶は、ヴェルナーの装飾デザイナーとしてのデビュー作のひとつ。当時マイセンの伝統とは一線を画す表現として高く評価された。

また、マイセンの創立250年記念として製作された新サービスであった《スウィトピーの文様》コーヒーサービスは、「芸術の発展を目指すグループ」の最初の仕事として命じられたもの。メンバーのひとりであるルードヴィッヒ・ツェブナーが考案したフォルム「コレクティブ・サービス」に、ヴェルナーが色とりどりのスウィトピーの花を施した。伝統的なマイセンの花文様とは異なる作風は、マイセン内部でも賛否両論があったという。




















