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「江戸の人気絵師 夢の競演 宗達から写楽、広重まで」(山種美術館)会場レポート。コンパクトに江戸絵画の前景を見る【2/5ページ】

 会場では大まかな年代順で奥村雅信、鈴木春信、鳥居清長らの美人画を展示していく。春信の演出する細やかな仕草や、清長のすらりとした立ち姿の美人の表現などに注目したい。

展示風景より、鈴木春信《梅の枝折り》(1767-68頃)
展示風景より、鳥居清長《当世遊里美人合 橘妓と若衆》(1783頃)

 歌川広重の《東海道五十三次》(1833-34)も宿場町順に並べられ、前期後期の展示替えを挟みつつ総覧できる。とくに同館が所蔵するものは初刷のものも多く、例えば雪中の山越えを描いた「蒲原」などは、ぼかしも線の鋭さも、よく知られているものと大きく異なることがおもしろい。また、鮮烈な構図が目を引く《近江八景》にも注目だ。

展示風景より、右が歌川広重《東海道五十三次 箱根・湖水図》(1833-36)
展示風景より、歌川広重《東海道五十三次 蒲原・夜之雪》(1833-36)
展示風景より、歌川広重《近江八景》(1834頃)

編集部