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「アンゼルム・キーファー:ソラリス」開幕レポート。二条城で結びつく、キーファーと日本【4/5ページ】

 台所に入ると目に飛び込んでくる大作。《オクタビオ・パスのために》(2024)と題された幅10メートルほどのこの作品は、本展のために制作された新作だ。

展示風景より、《オクタビオ・パスのために》(2024)

 キーファーが強い影響を受け続けているゴッホの作品を引き継ぎながらも、そこに描かれているのは焦土と化した原爆投下後の広島の大地の姿。画面中央には、フランシス・ベーコンが教皇の絵画で描いたような、叫び声を上げる苦悶の表情が読み取れる。また画面上部にはタイトルにもある詩人オクタビオ・パスによる詩「風、水、石」の一節が次のように引用されている。

一方は他方であり、そのどれでもない
空ろな名前のままで 過ぎ去り、消えていく

 この作品を見たキーファーの盟友・田中泯は、「何百年も前からそこにあるかのようだった」と語る。圧倒的な存在感の画面の前に立つと、その世界に飲み込まれるような感覚に陥るだろう。

レセプション時に披露された、田中泯と石原淋によるパフォーマンス

編集部

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