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「アンゼルム・キーファー:ソラリス」開幕レポート。二条城で結びつく、キーファーと日本【3/5ページ】

 本展タイトルにある「ソラリス」とは、ラテン語で「太陽の」を意味する言葉。太陽は光によって地球にエネルギーをもたらす存在であり、あらゆる人間活動に欠かすことができないものであることは自明の理だ。そして人間が紡いできた歴史や宗教、神話などを扱うキーファーも、様々な作品に太陽のモチーフを用いてきた。

 それを証明するように、会場冒頭を飾る作品も太陽に関連している。前庭に展示された高さ9メートルを超える大作《ラー》(2019)だ。

 エジプトの太陽神の名前を冠するこの作品は、キーファーが、「人間の歴史を追うことができる質量を持った唯一の材料」と語る「鉛」でつくられている。パレットから生えた巨大な両翼は空に向かって大きく広がりを見せるが、飛翔することはなく地上に縛られている。

展示風景より、《ラー》(2019)

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