第2章「写実を超える」
ここでは20世紀美術を牽引したキュビスムやシュルレアリスム、あるいは日本画における「奇想の系譜」などから、写実を超えた新しい「現実」の表現をたどることができる。

伊藤若冲の《象と鯨図屏風》(1795)、パブロ・ピカソの《裸婦》(1909)、ルネ・マグリット《レディ・メイドの花束》(1957)、前田寛治の《街の風景》(1924)などの名作が並ぶなか、圧倒的なのはやなぎみわ《Windswept Women 2》(2009)だろう。本作は同館の収蔵品あり、第53回ヴェネチア・ビエンナーレの日本館で発表された「老少女劇団」で出品されたもの。超自然的な力が仮託された女性の姿が、畏れすら感じるほどの力強さで表現されている。


