こけら落としは「リアル」
この記念すべき美術館のこけら落としを飾る展覧会は、「アート・オブ・ザ・リアル 時代を超える美術─若冲からウォーホル、リヒターへ─」だ。
同館コレクションの特徴のひとつに、近世鳥取画壇の写実描写、鳥取出身の画家・前田寛治の独自のリアリズム、同じく鳥取出身の彫刻家・辻晉堂における初期の写実表現など、様々な「リアル」に対する試みが見られる。本展はこうした「鳥取の芸術」に通ずる「リアル」を軸にしたものだという。
会場では、その特色を交えながら、古来より美術の重要なテーマであった「リアル」をめぐる挑戦の軌跡を、江戸/現在、日本/海外などの枠を超えて横断的にとらえなおし、6つのセクションで紹介。出品作家は100名以上、所蔵品以外にも主に国内の様々な美術館から集められた約180点(展示替えあり)が並ぶ。以下に、大まかなハイライトをまとめてお届けする。
