ダミアン・ジャレと名和晃平が《MIRAGE [transitory]》で見せた新展開

振付家・ダンサーのダミアン・ジャレと彫刻家・名和晃平のコラボレーションによるシアターピースの第4作《MIRAGE [transitory]》が昨秋、福岡・博多で初演を迎えた。

文=住吉智恵 Photo by Yoshikazu Inoue

《MIRAGE [transitory]》上演風景より

  振付家・ダンサーのダミアン・ジャレと彫刻家・名和晃平のコラボレーションによるシアターピースの第4作《MIRAGE [transitory]》が昨秋、福岡・博多で初演を迎えた。音楽を元ダフト・パンクのトーマ・バンガルテル、衣裳をANREALAGEが担当している。

 会場となったのは、2層吹き抜けのユニークな構造を持つ「イマーシブシアター THEATER 010(シアターゼロテン)」。バーレスクスタイルのショーなど幅広いエンターテインメントバーが展開されるというそのステージは、天井が高い縦長の舞台空間と、ダンサーの体温や息づかいが観客席に伝わるほどの距離感が特徴的だ。今回これまでの3作品とは異なり、普通のリハーサルスタジオでは制作不可能なプロダクションであることから、名和が率いるクリエイティブ・プラットフォーム「スタジオSandwich」のスタジオの一角に本番と同じ舞台空間を建て込んでクリエイションを行ったと聞く。

イマーシブシアター THEATER 010(シアターゼロテン)
(C)GION
左から、名和晃平、ダミアン・ジャレ、トーマ・バンガルテル

 本作のために世界各地で活躍する9名のダンサー(エミリオス・アラポグル、湯浅永麻、ヴィンソン・フレイリー、三東瑠璃、牧野李砂、リ・カフア(Lico)、福士宙夢、加賀谷一肇 、モテギミユ)が集められた。彼らはその並外れた身体表現力を駆使し、ときには等身大のヒューマンスケールで、ときには人体の領域を拡張するパフォーマンスを見せた。

編集部

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