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特別展「石岡瑛子 I デザイン」(兵庫県立美術館)開幕レポート。いま、現代を生きる石岡瑛子の仕事を見る【4/6ページ】

 「3幕|着地は熱情であらねばいけない ―裸のアートワークに映る私―」では、より石岡の「個」から生まれたクリエイションに迫る。

 デザイナーの全国組織「日宣美(日本宣伝美術協会)」は新人デザイナーの登竜門とされており、石岡はこのために、竣工を翌年に控えた国立京都国際開館で行われる「架空の」文化シンポジウムを構想してポスターを作成。グランプリを受賞する。

展示風景より、左が「日宣美(日本宣伝美術協会)」グランプリの《シンポジウム:現代の発見》(1965)

 本作の制作プロセスは極めて独創的で、実際に球体、立方体、三角錐をつくり撮影したうえで、この写真を素材として組み合わせながら平面構成を練り上げていった。河尻によれば、本展を開催する兵庫県立美術館を設計した安藤忠雄が、石岡のグラフィックを「3D的」と評したという。本作はこうした石岡の仕事が持っている外側に飛び出すような運動性を端的に伝えるものといえるだろう。

 また、この3幕では石岡が美大時代に制作したと思われる、世界を股にかけて活躍することを予見するような自作の本『ECO`S LIFE STORY』なども展示。石岡がどのような目標を持って仕事に向き合っていたのかを知ることができる。

展示風景より、右が『ECO`S LIFE STORY』

編集部

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