デザインとアートの祭典「DESIGNART TOKYO 2023」が開幕。「Sparks 〜思考の解放〜」テーマに過去最多の108展示

アート、デザイン、インテリア、ファッションなど多彩なジャンルをリードする才能が集結し、東京都内各所で展開するデザイン・アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO 2023」 がスタートした。会期は10月29日まで。

 東京を舞台に、アート、デザイン、インテリア、ファッションなど多彩なジャンルをリードする才能が集結し、都内各所で展開するデザイン・アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO 2023」が7年目のスタートを切った。会期は10月29日まで。

 今年のテーマは「Sparks 〜思考の解放〜」。会場となるエリアでは、過去最多となる83会場108展示による作品・コンテンツが世界中から集結する。同フェスティバルの代表を務める青木昭夫は、「コロナ禍を経て、デザインやアートは生活の必需品だとあたらめて思っている。心を養うためには素晴らしいアートやデザインが必要だ」とし、DESIGNART TOKYOが果たす意義を強調。また発起人のひとりであるアストリッド・クライン(Klein Dytham architecture)は今年のテーマに触れ、「10日間で展示をめぐり、様々な煌めき、ひらめき、ときめきがあればいい。Sparksをエンジョイしてほしい」と語っている。

 注目は2つのオフィシャル会場だ。東京・北青山のエスコルテ青山ビルでは、国内外から集まった注目のクリエイターらの最新のクリエイティブを集めた展覧会「DESIGNART GALLERY」が開催されている。

 同会場の空間デザインはデザイナーの進藤篤が担当。コロナ禍を経て大量に廃棄されたアクリル板をレーザーカットして組み上げたインスタレーションや、アクリル板を積層させた展示台などが500平米の空間に広がる。

進藤によるインスタレーション

 この会場では、デンマーク・コペンハーゲンの家具ブランド「Muuto」が東京で初めてポップアップストアを展開し、21世紀のデンマークデザインを提示。空間のなかで花瓶から照明、家具までがプレゼンテーションされている。柔らかなカラーパレットとそのコンビネーションに注目だ。

Muutoのポップアップストア

 また日本のポータブル照明メーカーである「Ambience」が今年横浜にオープンさせた「Ambience Gallery」がその空間を会場内に再現するとともに既存コレクションと新作を展示。イタリアのデザイナーであるデニス・グイドーネが「移ろい」という言葉から着想を得てY.S.MとコラボレーションしたUtsuroiコレクションが繊細な光を表現している。

「Ambience」による展示
デニス・グイドーネとY.S.Mによる展示

 また、SANLORENZO JAPANが展開するラグジュアリー空間を体感できる「SANLORENZO LOUNGE」では、世界的デザイナー、パトリシア・ウルキオラが手がける家具ブランド「MOROSO」や、ヨットのアウトドア・ファニチャ ーとして起用される「Paola Lenti」を特別展示。

 このほか、余剰コンクリートに新しい形を与える「 RECONC」や板坂愉によるムラーノ島で製作したガラス製の風船によるランタンなどに注目したい。

「SANLORENZO LOUNGE」の展示
展示風景より
展示風景より

 ワールド北青山ビルでは、DESIGNART TOKYOが昨年からスタートさせてオフィシャルエキシビション「ASIA CREATIVE RELATION」をチェックだ。今年は「A NEW HORIZON」と題し、アジア太平洋地域のデザインに特化したメディア「Design Anthology」の編集長であるスージー・アネッタがゲストキュレーターとして作品を選定した。

 参加クリエイターは、AtMa(日本)、Bumki Song(韓国)、CLEVERCLAIRE(韓国)、Curiosity(日本)、Dongwook Choi(韓国)、Funi Ding(香港)、Kairo Kusamoto(日本)、Kodai Iwamoto(日本)、OPEN OBJECT(中国)、PAN-PROJECTS + REMARE(日本)、Pili Wu(台湾)、Ryosuke Harashima(日本)、SDANLEY DESIGN WORKS(台湾)、Shizuka Tatsuno (日本)、Studio Orijeen(韓国)、Studio Osoh(韓国)、Takuto Ohta(日本)、Yosuke Matsushita(日本)、we+(日本)、Zougei Hiroyuki Nishimura(日本)。

 展示は「バイオモーフイズム」「アップサイクル」「新しいベル・エポック」「未来の伝統」という4チャプターで構成され、東アジアを担う未来のデザイナーが集結。未来のトレンドを考察するものとなっている。

「A NEW HORIZON」展示風景より
「A NEW HORIZON」展示風景より
「A NEW HORIZON」展示風景より
「A NEW HORIZON」展示風景より

 「DESIGNART TOKYO 2023」ではこのほか、建築家・田邊曜設計による「TIERS」3階にある「TIERS GALLERY」でのグループ展や、日比谷OKUROJIでのインテリアプロダクト展、西武渋谷店MOVIDA館7階特設会場での実験的なものづくりのプロダクト展示など、膨大な数の展示が展開されている。公式サイトをチェックしつつ、好みのデザイン・アートに出会うめぐり方をしてはいかがだろうか。

ワールド北青山ビルには新型CROWNの展示も

編集部

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