貴重な文化財や美術品などを超高精細映像の8K技術を利用して記録、保存、活用する取り組みの一環として、NHKとNTTインターコミュニケーション・センター [ICC]の共催企画「8Kだから見えてくる ルーブル美術館 空間を超えた映像アート体験」がスタートした。会期は2月26日まで。
本企画は、ルーヴル美術館の至宝である《ミロのヴィーナス》《サモトラケのニケ》《モナ・リザ》などの名作を、325インチ(横 7200ミリメートル×高さ 4050ミリメートル)LED8Kモニターで投影。現地でもなかなか見ることが難しい彫刻のディティールや絵の具のニュアンス、筆のタッチ、表面に起こるひび割れなどを肉眼で鑑賞できるのがポイントだ。
本企画の開催に際し、監修を務めた東京大学大学院教授・三浦篤はこの技術がもたらす可能性について次のように述べた。「この企画は数年前から始まったもので、美術史専門家として当時からアドバイザーとして関与してきた。これらの映像が今後どのようなかたちで社会貢献できるのかというと、『特定の作品を記録しておくことで状態の変化をつねにチェックできる(保存修復)』『細部をよりよく鑑賞できるため、新たな発見や研究につながる(研究)』『美術鑑賞の幅を広げ、新たな理解へつなげる(教育普及)』といった可能性が挙げられる。今後もこれらの技術と新たな鑑賞体験は普及していくのではないか(一部抜粋)」。
なお会場では、自身のスマートフォンで作品解説が聞ける音声ガイドも楽しむことができる。こちらを利用する際はイヤフォンを持参して体験いただきたい。