日本最大級の掛軸を凸版印刷がデジタルアーカイブ。映像での拝観も可能に

奈良・長谷寺が所蔵する《長谷寺大観音大画軸》。日本最大級の掛軸である同作のデジタルアーカイブを、凸版印刷が行った。これにあわせて制作された映像コンテンツは、これまで難しかった長谷寺以外での出開帳(掛軸の拝観)に活用される。

《長谷寺大観音大画軸》デジタルアーカイブの様子

 奈良・長谷寺が所蔵する《長谷寺大観音大画軸》は縦16.46×横6.22メートル、重量にして125.5キログラムにおよぶ日本最大級の掛軸。今回、同作のデジタルアーカイブを凸版印刷が行った。

 《長谷寺大観音大画軸》は明応4年(1495年)、罹災した本尊を復興再建するための設計図としてつくられたと伝えられるもの。天文7年(1538年)に造立された現在の長谷寺本尊「十一面観世音菩薩立像」とほぼ同じ大きさ(像高約10メートル)で、大観音の姿が描かれている。

長谷寺大観音大画軸

 これまで様々な文化財のデジタルアーカイブに取り組んできた凸版印刷だが、作品の大きさから従来の手法ではデータの取得が困難だったという今回。作品にあわせて設計したスキャナを用いることで、デジタルアーカイブが実現した。

 加えて、今回取得したデータを用い、大観音を原寸大で鑑賞できる映像コンテンツが完成。今後、これまで難しかった長谷寺以外での《長谷寺大観音大画軸》の拝観に活用される予定だ。

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