美術・工芸分野のアーティストやアートワーカーを対象に、契約の基礎を実践的に学ぶ研修会「美術・工芸の現場ではたらく人のための契約レッスン」が、文化庁委託事業「令和7年度 芸術家等実務研修会の実施」として開催される。企画・運営を担うのは、国内外で文化事業を手がける株式会社precog。
美術・工芸の現場では、契約が十分に交わされないまま仕事が進み、報酬や条件をめぐるトラブルが生じるケースも少なくない。本講座では、文化庁が取りまとめた「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドライン」をベースに、法律家とともに契約の考え方やポイントをわかりやすく解説。現役アーティストによるトークや、ゲーム感覚で取り組めるワークショップを交えながら、「楽しく、実践的に学ぶ」ことを目指す。
全体監修には、文化芸術分野の法務に精通するシティライツ法律事務所が参加。受注者・発注者の双方が安心して仕事に取り組める、公正な創作環境の実現を後押しする内容となっている。
また研修は、東京(BUG)・金沢(石川県立図書館だんだん広場)・愛知(SLOW ART CENTER NAGOYA)・京都(京都芸術センター)の全国4都市での会場開催に加え、オンラインでの受講にも対応している点も大きな特徴だ。都市部以外に拠点を置くアーティストやアートワーカーも参加しやすいよう、オンライン開催回は2回実施され、遠方からでも受講が可能となっている。なお、オンライン参加者にも、製本版の契約ガイドブックが郵送される予定だ。




「美術・工芸の現場ではたらく人のための契約ガイドブック」ガイドブックPDFは近日公開予定

なお、本事業で使用される『美術・工芸の現場ではたらく人のための契約ガイドブック』は、研修参加者に製本版が配布されるほか、PDF版が公式サイトで近日無料公開予定。研修に参加できない人でも、ガイドブックを通じて契約の基礎を学ぶことができる。
契約を「難しいもの」ではなく、日々の制作や仕事を支える実践的な知識として学ぶ本研修。全国どこからでも参加できるオンライン開催は、とくに注目したいポイントだ。


























