鮮烈な色彩と大胆な画面構成は三輪作品の大きな特徴であり、従来の写実ではとらえきれない生々しいリアリティの追求は近年さらに深化している。筆致は年々密度を増し、視覚と対象のあいだに生じるズレや揺らぎを積極的に取り込むことで、静止画でありながら動感を孕んだ独自の表現が形成されている。

本展は、渋谷への移転後としては初の個展となり、ギャラリー空間に合わせて制作された小品を含む新作8点で構成される。近年は大作への取り組みが続いていた三輪だが、本展ではスケールを自在に変化させつつ、多層的な視覚経験を提示する。
視覚の動きと存在の揺らぎを画面に定着させ、「常なる無常」というテーマを独自の角度から読み解く三輪。その現在進行形の表現を、ぜひ会場で体感してほしい。

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