世⽥⾕パブリックシアターが、世⽥⾕アートタウン2023の関連企画として、フランス✕⽇本現代サーカス交流プロジェクト『フィアース5』を上演する。上演日は10月27、28、29日。
構成と演出を担うのは、現代サーカスの発信地フランスを拠点に、パリ2024夏季オリンピックに向けた文化イベントなどでも注⽬を集める気鋭の演出家・振付家のラファエル・ボワテル。ラファエル率いるカンパニー・ルーブリエは『When Angels Fall/地上の天使たち』(2019、世⽥⾕パブリックシアター)で初来⽇公演を果たし、オリジナルの装置を⽤いた迫⼒あるパフォーマンスや⾼度なサーカステクニック、ダンス、演劇の要素を取り⼊れた独⾃の世界観で⽇本の観客に衝撃を与えた。
本作は、⽇本のことわざ「七転び⼋起き」に想を得て創作したラファエルの代表作のひとつ『5esHURLANTS』(2015初演)をベースに、⽇仏国際共同制作によって2021年秋、コロナ禍での度重なる困難を乗り越えながら⽣み出された。ダンス、エアリアル、綱渡り、ジャグリングなどのテクニックを融合させ、サーカスの世界に⽣きる⼈々が幾度となく困難に直⾯しつつも必ず⽴ち上がる粘り強さを表現し、アーティスト5⼈の成⻑譚を等⾝⼤で描く作品だ。
本作のコンセプトについてラファエルは「常にリスクと向き合い限界を超えていくサーカスと、そこで⽣きる⼈々へのオマージュであると同時に、⼈⽣のメタファーでもある」と語る。加えてラファエルは今回の公演に向けて、次のようにコメントを寄せた。
この秋に、世田谷パブリックシアターで再び『フィアース5』を上演できることをとても嬉しく思います。
ワイヤー、エアリアルフープ、ストラップ、ジャグリング、アクロダンスなど、専門分野が異なる多国籍のアーティストと共にこの作品を創り上げました。この作品のためにデザインしたスパイダーと呼ばれる装置を使い、非常にエモーショナルで、壮観なスペクタクルをお届けします。
この作品では“粘り強さ”について描いていますが、今日の世界では“粘り強さ”が非常に重要であると言えます。私がアーティストとして日々の生活を送る中でヒントとしている大好きな日本のことわざから、自由にインスピレーションを得ました。そのことわざは「七転び八起き」です。
このプロジェクトは私にとってはとても重要で、まさに交換と継承と出会いのプロジェクトなのです。さらに、日本の皆さんと出会うための本当に素晴らしい機会でもあります。
皆さんにお会いできるのを心から楽しみにしています。
ラファエルとサーカスアーティストたちは、今回の第2章のために再び創作期間を設け、台湾からも新たなメンバーを迎えてさらに発展させた『フィアース5』をリクリエイションする。
公演には初演メンバーだった、エアリアルアーティストとして幅広く活躍している⻑⾕川愛実、ジャグリング&⾳楽集団「ながめくらしつ」を主宰する演出家・ジャグラーの⽬⿊陽介、サーカスアーティストとして活動し、本作で初めてタイトロープ(綱渡り)にも挑んだ吉川健⽃らが続投。加えて、台湾を拠点に活躍するエアリアルアーティストのアンブローズ・フーと浅沼圭が加わる。
浅沼圭は、元⽇本代表新体操選⼿の経歴を持ち、現在はコンテンポラリーダンサーとして、2020東京パラリンピックの閉会式や森⼭開次『サーカス』(15初演、新国⽴劇場)『NINJA』(2019初演、新国⽴劇場)をはじめ、幅広いジャンルの作品への出演や、振付、作品創造などを⾏っている。
アンブローズ・フーは武術家から転身した、台湾を拠点に活躍するエアリアルアーティスト。2021年に世田谷パブリックシアターで映像上映した『悟空〜冒険の幕開け〜』にも出演していた台湾を代表する現代サーカスカンパニー、フォルモサ・サーカス・アート(FOCA)の元メンバーだ。
卓越した⾝体能⼒と表現⼒を兼ね備えた若きサーカスアーティストたちの⽇仏台コラボレーションによって、作品、アーティスト、劇場空間が秘めるポテンシャルを最⼤限に引き出し、さらなる進化を遂げた『フィアース5』。滑っても、落ちても、転んでも、必ず⽴ち上がり、幕をあける、アーティストの魂の叫びを劇場で体感してみてはいかがだろうか。