舞踏家・笠井叡の新作ダンス作品《高丘親王航海記》が東京の世田谷パブリックシアターで上演される。澁澤龍彦の遺作となった『高丘親王航海記』は、平城天皇の皇子・高丘親王の天竺への旅を描いた幻想文学を代表する傑作だ。
今回、笠井は同作を21名のダンサーを率いた大スペクタクル作品として演出。黒田育世(BATIK)、近藤良平(コンドルズ)、酒井はな(東京公演のみ)、寺田みさこ(京都公演のみ)といったコンテンポラリーダンスシーンを代表するダンサーを迎え、原作の登場人物の内面のみならず、現代を生きる人間の現実や本質に迫っていくことを試みる。
そのほか、舞台美術/衣裳を榎本了壱が手がけるなど、各方面から実力派たちが集結。これまでも澁澤龍彦訳のマルキ・ド・サド作品などを上演してきた笠井が、ついに澁澤の遺作をダンス作品として立ち上げる。