毎年、33回に迫る回数のセールを実施し、美術品と出会う機会を数多く提供してきた美術品オークション「毎日オークション」。国内最大級の取り扱い数を誇る本オークションが2020年2月8日に開催したのが「アート&デザイン」だ。これまでアート作品やデザイン家具などに触れてこなかった層でもその魅力に触れられるセールとなり、多くの来場者を集めた。
「アート&デザイン」には絵画や陶器、デザイン家具や工芸品といった様々なジャンルから261点が出品。数万円から数十万円といった、初めての参加者でも手を出しやすい価格帯の作品から、100万円を超える高額作品までが出揃った。
当日は活発なセールが行われ、数多くの作品が高値で競り落とされた。その一部を紹介したい。
モダンでシンプルな造形により、国内外で高い評価を集める陶芸家・加守田章二の《炻器面壷》。予想落札価格70~100万円に対し、210万円で落札された。
琳派を連想させる、金箔と鮮かな色彩表現で人気の高い日本画家・福井江太郎による三幅一対の日本画《喜》は、予想落札価格200~300万円に対し、320万円での落札となった。
現代美術の作品も数多く出品。近年のオークション市場で高い人気を集めるKYNEのシルクスクリーン作品は、予想落札価格が50~70万円であるのに対し、落札価格は135万円だった。
また、名品と呼ばれる家具も注目を集めた。今回出展された、フィン・ユールの代表作として知られる椅子「Chieften Chair」は、1970年代「IvanSchlechter工房」製の10脚しか製造されていないもの。こちらは、予想落札価格500~700万円に対し、620万円で競り落とされた。
また、ヴァーナー・パントンのランプ「Hanging Lamp TYP G」も多くの人の目を引いた。色彩を重視したユニークな造形により照明デザインに革新をもたらした本作だが、予想落札価格250~350万円に対し、340万円で落札された。
「アート&デザイン」では、下見会場でも様々な居住空間を再現しながら出品作品を展示。生活に取り入れたいと、初めての入札に挑戦する人の姿も数多く見られた。また、海外からの入札も多く見られ、活気あふれるセールとなった。
次回のアート作品のオークションは3月7日に開催。美術品に興味があれば、だれでも参加できる。