チームラボ、パリのラ・ヴィレットで新作を含む大規模な展覧会が開幕

チームラボが日本文化・芸術の祭典「ジャポニスム2018」の公式企画として、 フランス・パリのカルチャーパーク「ラ・ヴィレット」で 大規模な展覧会「teamLab : Au-dela des limites」(境界のない世界)をスタートさせた。会期は9月9日まで。

「teamLab : Au-delà des limites」の展示風景 © teamLab

 フランスを舞台に、多数の展覧会や公演などが行われる日本文化・芸術の祭典「ジャポニスム2018」(7月〜19年2月)。この先陣を切るかたちで、チームラボの大規模展「teamLab : Au-delà des limites」がスタートした。本展は、ロンドンのギャラリーPACE LONDONで行われた個展「teamLab: Transcending Boundaries」のコンセプトを拡張させたもので、約2000平米の巨大な会場にデジタルアート空間を展開するもの。

「teamLab : Au-delà des limites」の展示風景 © teamLab

 新作を含む複数の作品同士が混ざり合い、 ひとつの空間を作り上げる本展。これまでのチームラボのインスタレーション同様、インタラクティブな要素によって鑑賞者が作品の一部となるとともに、鑑賞者によって作品が変化していくことで、自分と他者、あるいは人々と世界との境界を曖昧にし、新しい関係性を模索する。

「teamLab : Au-delà des limites」の展示風景 © teamLab

 本展の特徴は、作品の境界(大きさや場所)が明確でないこと。作品は、他の作品とコミュニケーションし、それぞれの展示空間から自ら動き出し、他の作品がいない場所へと移動していく。その場に適応したかたちに変容したり、他の作品と混ざり合ったりする作品たち。展覧会名の「teamLab : Au-delà des limites」(境界のない世界)が示す通り、境界がない体験と世界を実現することを試みている。

 展示されているのは、デジタルによってリアルタイムで描かれた滝が、高さ11メートル、横26.5メートルの壁から床へと流れ、来場者の足元で割れながら空間に広がっていく《憑依する滝》をはじめ、 無数の半透明の像によるインタラクティブ・デジタルインスタレーション《秩序がなくともピースは成り立つ》や、四方と下方が全て映像に囲われ、光で描かれたカラスが空間を飛び回り、書を描く《追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして超越する空間》の発展形となるような作品など。

チームラボ 憑依する滝 2018 © teamLab

 今年、東京に初となるデジタルアートミュージアム「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」をオープンさせることで話題のチームラボ。これまでも海外で大きな人気を集めてきたチームラボだけに、パリでの展示は「ジャポニスム2018」をリードするものになるだろう。

編集部

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