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女性アーティスト作品の史上最高額。フリーダ・カーロの自画像がサザビーズNYで約86億円で落札【2/2ページ】

 本作はカーロとリベラの主要ディーラーであったメキシコシティのGalería Misrachiから個人所蔵へと渡り、長らく著名コレクションに収蔵されてきた。これまで世界各地の重要な回顧展に出品され、カーロ研究における基軸作品として位置づけられてきた。

 今回の落札は、女性アーティスト作品としての史上最高額となり、従来の記録であるジョージア・オキーフの《Jimson Weed / White Flower No.1》(2014年サザビーズ、4400万ドル)を大きく上回った。また、カーロ作品としてのオークション記録も、2021年にサザビーズで記録された3490万ドルを大幅に更新している。

 なお現在、男性アーティストのオークション最高額は、2017年に落札されたレオナルド・ダ・ヴィンチ《サルバドール・ムンディ》の4億5031万2500ドルである。また、20世紀以降に制作された作品のオークションレコードは、今月18日にサザビーズ・ニューヨークで落札されたグスタフ・クリムト《エリザベート・レーデラーの肖像》(1914–16)が記録した2億3630万ドル(約365億円)だ。

 今回フリーダ・カーロが樹立した記録を見ると、依然として男性アーティストとのあいだに大きな価格差が存在することも浮き彫りとなっている。