日本の市場規模は世界全体の1%。アジアでは2位
アート・バーゼルとUBSによる、2023年の世界美術品市場を分析するレポート「The Art Basel and UBS Global Art Market Report 2024」では、昨年の世界美術品市場の規模は前年比4%減の650億ドル(約9兆6100億円)と推定されている。このうち77%が米国(42%)、中国(19%)、英国(17%)によって占められており、日本の市場規模は全体の1%、6億8100万ドル(946億5900万円)に過ぎない。この日本のアート市場を深掘りした初の調査結果が、文化庁によって公表された。
調査を行ったのは、「The Art Basel and UBS Global Art Market Report 2024」レポートの著者で、Arts Economicsの創設者であるクレア・マカンドリュー博士だ。
世界全体のアート市場で見ると、2022年から23年にかけては売上高が4%減少しており、これに比例するかたちで日本のアート市場も7億5600万ドル(22年)から10%減。しかしながら、コロナ禍前(2019)の6億1100万ドルからは11%の伸びを見せており、日本のマーケットのポテンシャルの高さがうかがえる。
上述のように、アートマーケットの上位は米国、中国、英国が占めている。アジアで見ると、香港・中国は世界第2位かつアジア最大の市場だ。価額ベースではアジアの取引額全体に占める中国のシェアは80%を超えており、日本はシェア約5%で中国に次ぐ2位につけている(なお、今回の調査ではアーティストからの直接販売などは対象外となっている)。
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