「T3 PHOTO ASIA」(八重洲ミッドタウン)レポート。アジアの写真の「いま」を見る【3/3ページ】

 5階では特別展「Discover New Asia/Masters」に注目だ。本フェアのディレクターである金廷恩(キム・ジョンウン)が企画した本展は、新たな写真表現を探求する4人のアジア人女性アーティストにフォーカスするものだ。

特別展「Discover New Asia/Masters」展示風景より、オ・ヨンジンの作品

 91年台湾生まれのジャン・ヨウイは、ミレニアル世代として女性の身体を媒介にしたパフォーマティブな作品を制作。93年韓国生まれのオ・ヨンジンはソラリゼーションを使用して、画像を繰り返し露光、現像することで流動体なイメージをつくりあげている。

特別展「Discover New Asia/Masters」展示風景より、ジャン・ヨウイの作品

 90年ベトナム生まれのヒエン・ホアンは、ドイツで活動しながらアジア系移民に対するステレオタイプへの批判性を含む作品を制作。また、83年東京生まれの鈴木のぞみは銀塩写真を様々なメディウムと組み合わせながら、記憶と接続させることを試みる。

特別展「Discover New Asia/Masters」展示風景より、ヒエン・ホアンの作品
特別展「Discover New Asia/Masters」展示風景より、鈴木のぞみの作品

 ほかにも、戦前から現代までの日本の写真を蒐集した丸川コレクションの展示や、カメラ/レンズメーカーのSIGMAによる写真集コレクションのポップアップライブラリーなど、写真を多面的に楽しむことができるアートフェアとなっている。 

SIGMAによる写真集コレクションのポップアップライブラリー

編集部

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