「T3 PHOTO ASIA」(八重洲ミッドタウン)レポート。アジアの写真の「いま」を見る【2/3ページ】

 会場となっているのは、東京駅からほど近い八重洲ミッドタウンの4階と5階。4階では10のギャラリーがブースを構えている。

 ソウルのGALLERY YEHによる、韓国写真の第一人者である林應植(イム・ウンシク、1912〜2001)の作品展示は韓国の写真史を知るうえで重要な展示といえるだろう。1950年代、朝鮮戦争の際に米国務省所属の従軍写真記者として戦場を記録し林は、その後「生活主義リアリズム」を標榜して、絶対的に非演出なスナップ写真により混乱した韓国社会を切り取るようになる。韓国における写真の地位向上にも尽力したイムは、アジアの写真史において重要な作家のひとりといえる。

展示風景より、GALLERY YEHブースの林應植の作品

 日本のMEMは、北野謙による長時間露光で地球と宇宙をとらえたシリーズを紹介。また、MISA SHIN GALLERYは東松照明、PGIは川田喜久治を紹介するなど、戦後日本の重要作家を展示している。また、KANA KAWANISHI GALLERYの木村伊兵衛写真賞受賞作家・岩根愛の作品も見逃せない。

展示風景より、MEMブースの北野謙の作品
展示風景より、KANA KAWANISHI GALLERYの岩根愛の作品(右)

編集部

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