村上隆による初のNFT作品。《Murakami.Flowers》のオークションがスタート

村上隆が初の試みとしてNFT作品《Murakami.Flowers》の販売を開始。NFTマーケットプレイスのOpenSeaでオークションがスタートした。

OpenSeaより(4月8日時点の情報)

 村上隆が初めてNFT(非代替性トークン)作品として発表した《Murakami.Flowers》のオークションがスタートした。

 同作は、NFTマーケットプレイスの「OpenSea」で発表されたもので、村上の代表的なモチーフである「お花」をドットで表現した作品。3⽉29⽇から毎⽇12点ずつリリースされており、煩悩の数である108バリエーションが揃った4月7日にオークションが始まった。入札期限は4月12日午前0時(日本時間)まで。

 今回のオークションでは、この108バリエーションを1セットにした《108 Earthly Temptations》という集合画1点が競売にかけられている。落札者は《108 Earthly Temptations》1点とともに、同作を構成する108枚の個別画の所有権も同時に保有することとなり、計109点の作品は通常のNFT作品同様、個別にOpenSea上で売買可能だという。

 なお村上はこのオークションで販売される《108 Earthly Temptations》とは別に、リアルな巨⼤ペイントアートを準備。後⽇別枠で販売することも明らかにしている。

 村上はこのオークションに際し、OpensSea上で次のようにコメント。NFTの可能性に期待を寄せている。

私は NFT とは仮想通貨と併せて、⼈類が新たに「価値」や「所有」や「権利」の概念を本質に⽴ち戻って⾒つめなおす大きなきっかけであると捉えています。そして NFT は「リアルワールド」と「ヴァーチャルワールド」をつなぐ架け橋となる重⼤な要素と捉えています。現代アートは直接的にNFTの影響を受ける存在になって⾏くでしょう。私はNFTの概念の上で作品を作っていく活動⾃体もアートと呼んでもよいのではないかと考えています。 Murakami.Flowers の 108 の作品群及びその集合画「108 Earthly Temptations」は村上隆としての、そしておそらく現代美術作家としても初の NFT 出品となる記念碑的グループ作品 となります。この作品群を⼊⼝にして、NFT の世界を楽しんでいただければ幸いです。(OpenSeaより一部抜粋)

 デジタルアーティストたちのNFT作品が高額で取引されるなか、村上作品の落札結果は今後、現代美術作家がNFTに参入するひとつの判断材料となるかもしれない。

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