デジタルアーティスト・Beeple(本名:マイク・ヴィンケルマン)によるNFT(非代替性トークン)に基づいたデジタルアート作品《Everydays - The First 5000 Days》がオンラインオークションで約6935万ドル(約75億円)で落札され、大きな注目を集めている。その落札者が、クリスティーズによって明らかにされた。
落札者は、NFTプロダクションであり世界最大のNFTファンドである「Metapurse」の創設者・Metakovan(メタコバン)。Metapurseは2020年にも同じくBeepleによる作品《Beeple Everydays: The 2020 Collection》の初版セットをすべて購入しているという。
落札された《Everydays - The First 5000 Days》は、Beepleが13年半の歳月をかけて制作した5000枚の作品をコラージュしたもので、今回のオークションのためにつくられたエクスクルーシブなもの。
Metakovanは今回の落札について、「高額なNFTといえばこの作品をおいて他にはない。その理由は13年間の日々の仕事の成果を表しているからだ」とコメントを発表。「技術は再現可能だが時間だけはデジタルでハックできない。この作品こそがいまの時代においてもっとも価値のある芸術作品であり、10億ドルの価値がある」としている。
またMetakovanとともにMetapurseを運営するTwobadourは、「有名なオークションハウスで、現代のアーティストによる、インターネット上の共有金融プラットフォームにある完全にデジタルな傑作を、有色人種が手に入れた。これは確実に歴史的なことだ。私たちはこれが未来であることを願っている」とのコメントを出した。
《Everydays - The First 5000 Days》は33人が競り合って入札し、そのうち新規ユーザーは91パーセントに上った。落札価格の約6935万ドル(約75億円)は、ジェフ・クーンズ、デイヴィッド・ホックニーに次いで、現存アーティストのオークション記録第3位となっている。