アート界で物議を醸す存在となっているNFT(非代替性トークン)。このムーブメントに村上隆が参加した。
村上はNFTマーケットプレイスの「OpenSea」で初となるNFT作品「Murakami.Flowers」を発表。村上は自身のコメントとして次のように記している。「芸術家は、死ぬまでの短い数十年間で、その後何百年も対応可能な作品を作らねばなりません。今回のトライアルも、その意味でVR内で人間が認知可能な芸術のあり方の、掘り下げと拡散に合致している為に行い始めました。ほんのちょっとした興味の揺らぎなのか。それとも未だ知る由もない未来の価値観へのはじめの一歩なのか」(リリースより一部抜粋)。
作品は村上の代表的なモチーフである「お花」を、「ファミコンの懐かしさを感じさせる24×24ピクセル」で表現したという。煩悩の数である108のバリエーションが用意されており、1日に12枚ずつリリース。108枚が揃ったところでオークションがスタートする。
なお本作においては購入者は作品所有権を取得するものの、著作権や商標権その他の知的財産権は村上隆と有限会社カイカイキキが引き続き保有。作品画像を商用目的で利用することや改変することは禁止されている旨が記されている。
NFTをめぐってはデジタルアーティスト・Beeple(本名:マイク・ヴィンケルマン)によるNFT作品がクリスティーズで約6935万ドル(約75億円)で落札。またAIロボット・ソフィアによるNFT作品もオークションにて68万8888ドル(約7500万円)という高額で落札されるなど、マーケットを騒がせている。
いっぽうでロシアのアクティヴィスト集団「プッシー・ライオット」はNFT作品を販売することで得られた収益でロシアの女性保護施設を支援することを表明しており、「独立したコレクターと直接コミュニケーションできる場所というのは私たちにとって意味のあるもの」との考えを明らかにしている。