Lee Ufan Arlesとゲランが共同で創設した「Art & Environment Prize」の第3回目となる今年度の受賞者が、今年10月7日、フランス系イラン人アーティストPooya Abbasianに決定した。
「Art & Environment Prize(アート&エンバイロメント プライズ)」は2023年に創設された賞で、李禹煥と親和性のある哲学的な深みをもちながら、ゲランが掲げる環境との関わりにおける価値観と共鳴する作品を評価するというもの。
今年の審査員は、審査委員長の李禹煥のほか、パリのアンリ・カルティエ=ブレッソン財団ディレクター・写真史家・美術史博士のClément Chéroux、俳優・映画監督・ビジュアルアーティストのCharlotte Le Bon、「2024年Art & Environment Prize」受賞者の現代アーティスト・Caroline Corbassonが務めた。またゲランからは、ゲランCEOのGabrielle Saint-Genis、ヘッド オブ アート・カルチャー・アンド・ヘリテージのAnn Caroline Prazan、ヘッド オブ グローバル・サステナビリティのClaire Coletti、Lee Ufan Arlesからは、李禹煥スタジオディレクター兼キュレーター・ギャラリスト・Lee Ufan Arles副会長のEsra Joo、ジェネラル・コーディネーターのJuliette Vignonが参加した。
今年4月30日から7月30日まで募集を行った結果、552件の応募があり、6名のファイナリストが選ばれた。ファイナリストは、受賞者のPooya Abbasianのほか、Dana Cojbuc、Virginie Ittah、Marie-Luce Nadal、Ana Sant’Anna、Laure Winantsの5名。
受賞したPooya Abbasianは、1985年生まれのフランス系イラン人アーティストで、2011年以降パリ在住。写真、ドローイング、映像、インスタレーションなど表現方法を横断し、現代社会における「イメージの位置と循環」に問いかける。映画とドローイングの世界で培った経験をもとに、インターネットや映画、自身の写真などから収集したイメージの断片を素材とし、それらを再構成してイメージ・現実・真実の緊張関係を可視化する作品を制作している。ヨーロッパ写真美術館(MEP)、テヘラン現代美術館、ル・プラトー(フラック・イル=ド=フランス)などで作品展示の経験があり、映像作品は国際映画祭でも上映された。またフランス国立現代美術センター(CNAP)やヨーロッパ写真美術館(MEP)のコレクションにも収蔵されており、児童書の著者・イラストレーターとしても出版実績がある。

Pooya Abbasianは、Lee Ufan Arlesのレジデンス期間中、“Séneçon”というプロジェクトに取り組む予定だ。「雑草」と呼ばれる野生植物の観察から着想を得た作品となっており、長年にわたり取り組んできた「生の記憶」「生命の循環」「イメージが不動の存在を留める力」を探求するプロジェクトの一環として制作される。






















