ロッテルダム、2025年に2大美術館が開館。「移民」と「写真」に特化【2/2ページ】

 また、同年後半にはオランダ写真美術館が、新たな拠点として歴史的建造物「サントスビル」に移転する。同館は写真の展示、保存、収集、研究を専門とする美術館。その所蔵品は650万点を超え、世界最大規模の写真コレクションを誇る。

オランダ写真美術館の外観 © Photo Studio Hans Wilschut

 1903年にブラジル産コーヒーの倉庫として建てられた新拠点の建物は、美しく改修され、ロッテルダムの中心部にある象徴的なランドマークとして再びその役割を果たす。8階建ての鋳鉄製の柱で支えられたこの建物では、広大な展示スペースをはじめ、写真専門の書店や図書館、教育センター、コミュニティスペース、プロ・アマチュア向けの暗室、さらにロッテルダムのスカイラインを一望できる屋上レストランを備える。また、収蔵品と保存作業を収容する最新の気候制御設備も設置される。来館者はガラス越しに修復や保存の専門家たちが作業する様子を観察することができ、館内は写真芸術の舞台裏を体験できる空間となる。

オランダ写真美術館の内部 © Photo Studio Hans Wilschut

 さらに、2025年には「Danshuis」という新しい国際ダンスセンターの建設が始まる。この施設はFenixの隣接地に建設される予定で、建築事務所MADが引き続き設計を担当する。クラシックバレエからヒップホップ、タンゴ、フォークダンスに至るまで、あらゆるジャンルのダンスに対応する最先端のパフォーマンススペースが計画されており、2030年の完成を目指している。

 Droom en Daad財団のディレクターであるウィム・パイベスは、「ロッテルダムは国際貿易の拠点としての歴史や、デ・ステイルやレム・コールハースの建築をはじめとする現代建築で知られる港湾都市としての特徴を活かし、2020年代におけるヨーロッパの文化発展の象徴的都市となるだとう」と期待を寄せている。

Fenix © Henry Verhorst

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