石川県七尾市の能登島にある石川県能登島ガラス美術館が、1月1日に発生した令和6年能登半島地震で大きな被害を受けた。
石川県能登島ガラス美術館は1991年に開館。世界各地の現代ガラス作家の造形作品を中心に約400点を収蔵し、古今東西のガラス作品を紹介する企画展を開催してきた。主なコレクションに、パブロ・ピカソやマルク・シャガール、ジャン・コクトーなど20世紀の芸術家たちのデザインをもとにヴェネチアで制作されたガラス造形作品、中国清朝時代のガラス工芸作品、スペインの作家サルバドール・ダリとフランスのドーム社との共同作品、そして国内外で活躍する現代作家によるガラスアートなどがある。また庭園内には、ガラス造形界を代表する作家たちのガラス彫刻作品を展示している。
被災時の同館では企画展として扇田克也、奥野美果、佐々木雅浩による三人展「光をまとう」(〜3月24日)が開催中で、常設作品も含めて屋内外で130点を展示していた。このうち、2月4日時点で24点(内2点は資料展示)に被害が確認されている。作品の修復に関しては、作家との連絡を取り始めた段階だという。
また、施設にも被害が出ているが、市内での生活インフラの整備が優先されるため、現時点での七尾市による建物調査のスケジュールは未定となっている。
同館のある能登島は七尾湾内にある島で、南側は和倉温泉、西側は中島町とそれぞれ橋でつながっている。このうち中島町と接続するツインブリッジのとは閉鎖中で、和倉温泉からの能登島大橋でのみ渡ることができるが、片側通行など工事箇所が多い。
同館担当者は次のメッセージを寄せている。「みなさまに安心して能登島へお越しいただけるのは、まだまだ先かと思いますが、再開しましたら、どうぞ足をお運びください。また、ガラス関係の皆さまには、今後、ご協力願うこともあるかと思います。その際にはご支援いただければと思います」。