俳優・佐藤健が「⼀⽣に⼀度の挑戦」として、ニューヨークを拠点とする世界的フォトグラファーのマリオ・ソレンティとコラボレーションした初のアートブック『Beyond』が、発表された。
マリオ・ソレンティは、1990年代にまだ無名だった当時の恋⼈ケイト・モスがモデルを務めたカルバン・クラインの⾹⽔「オブセッション」の広告キャンペーン写真で表舞台に立ち、以降、『ヴォーグ』をはじめとする雑誌から、シャネルなど様々なブランドとのコマーシャルワークまで、第⼀線で活躍している。
今回、佐藤は「ただ写真を撮ってもらうのではなく、ネットやインスタなどで⼀時的に消費されてしまうものとはまったく違う写真を第⼀線で⽣み出し続けているマリオ・ソレンティとのコラボレーションとして、今後に残るアートとしての作品をこの機会に全⼒で⽣み出したい」という気持ちで、このプロジェクトに挑んだという。
撮影の地となったのはパリ。建築家・安藤忠雄が手がけたことで話題の現代美術館「ブルス・ドゥ・コメルス」の空間でも撮影が行われた。
佐藤は今回のプロジェクトについて次のように振り返っている。
初⽇にマリオから⼀発⽬のシチュエーションでの写真を⾒せてもらった段階で、“この⼈にす べてを任せたい”と思えました。そこには今まで撮ってもらってきたどんな表現とも違うオーラ のようなものが感じられて、本気でぶつかっていきたいなと。結果、僕としては悔いが残らない ほど出し切ったつもりだし、マリオの⼈間⼒とカメラの前ではどんどん内⾯や⾃分をさらけ出 していきたくなる感覚もあって、実際にこれまでにはない⾃分が引き出された写真を残しても らったと感謝しています。そういう意味で今回の『Beyond』は、過去の⾃分の写真集とは別のもので初めてアートとしての写真に挑んだ作品集であり、同時にマリオの作品集でもある。これまでの写真集や他の⾃分の作品はあまり⽬につく場所には置いていないんですが、今回のアー トブックは家のリビングに置いておきたいものになる気がしています。
なお、『Beyond』のブックデザインは、台北を拠点に国際的に注⽬を集めるアジアを代表するアートディレクター、アーロン・ニエ(聶永真)が担当。以前から「世界に向けて、まずはアジアで⽕がつく⽇本発のドラマをつくることが、明快な⽬標」と語る佐藤健のアジアへの意識が投影されている。