自然エネルギーの普及を進める株式会社パワーエックスが、岡山県玉野市に日本最大級の蓄電池組立工場「Power Base」を建設すると発表した。
約2万8272平米、年間約1万台分の蓄電池製品に相当する最大5ギガワット時(GWh)を生産するこの工場は、太陽光、風力といった自然エネルギー源による電力の安定的な供給を実現させる蓄電池製品を生産する拠点。工場としての機能だけでなく、周辺の自然や生態系と調和することで従業員に快適な環境を提供するとともに、地域との交流の拠点ともなるという。
建築設計を手がけるには、東京都庭園美術館の新館長に就任することで話題の建築家・妹島和世。工場の敷地は本州と瀬戸内海の島々をつなぐ玄関口のひとつ、宇野港からほど近い場所に位置。敷地にある既存の建物と周囲のスケールに対応した大きな屋根が特徴で、緩やかにカーブしながら、その下に点在する大小様々なサイズのオフィス、研究開発センター、会議室などをつなげるデザインとなる。
パワーエックスは「美術手帖」に対し、この「Power Base」を「なんらかのかたちで一般の方への公開もできるように計画している」と話しており、「アートとは美術館にとどまらず、生活と産業の中にも存在し、歴史的な造船街である玉野から次世代の働き方、モノづくり、クリエイティブな開発を芸術性の高い環境で実現したい」「観光客は最新の産業を目にしながら、芸術的な環境で成長する新産業を直視できる新しい観光のかたちを目指す」と意気込みを見せている。