東京都庭園美術館、新館長に建築家・妹島和世。就任は7月1日

東京都庭園美術館の新たな館長に、建築家として世界的に知られる妹島和世が就任することが発表された。

妹島和世 2018年撮影

 東京都は東京都庭園美術館の新館長として、建築家で横浜国立大学名誉教授の妹島和世が就任することを発表した。就任は7月1日。

 妹島和世は1956年生まれ。95年に西沢立衛とともに建築家ユニットおよび建築事務所「SANAA」を設立。名大胆な空間の形式やガラスを多用したファサードのデザインを得意とし、透明感のある開放的なデザインは世界的にも評価が高い。「金沢21世紀美術館」(2004)や「ニュー・ミュージアム」(ニューヨーク、2007)、ルーヴル美術館別館の「ルーヴル・ランス」(2012)といった様々な建築を手がけるほか、展覧会や家具のデザイン、空間構成など幅広く活動。

 また個人としては、「すみだ北斎美術館」や「大阪芸術大学アートサイエンス学科棟」、西武鉄道001系電車「Laview」などを手がけているほか、2021年の芸術祭「パビリオン・トウキョウ2021」には作家として参加した。04年にはヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展で金獅子賞を受賞。また10年には建築界のノーベル賞とも称されるプリツカー賞を日本人女性として初めて受賞している。

 なお、国内で建築家が館長を務める例としては、青木淳(京都市京セラ美術館)、佐藤慎也(八戸市美術館)などがある。

 都立美術館の館長は、高橋明也(東京都美術館)、岡素之(東京都現代美術館)、伊東信一郎(東京都写真美術館)、藤森照信(江戸東京博物館)など、いずれも男性が務めている。

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