2022.3.22

アートを買ってウクライナを支援しよう。著名アーティストらが協力

ウクライナの人々を支援するために国際的なアーティストが、オープンエディションのプリント作品のチャリティー販売など様々なプロジェクトを実施している。

「Solidarity Prints for Artists at Risk」のウェブサイトより

 ロシアの侵攻により危険にさらされているウクライナのアーティストを支援するため、63組の国際的なアーティストが、オープンエディションのプリント作品のチャリティー販売をスタートさせた。

 「Solidarity Prints for Artists at Risk」と呼ばれるこのプロジェクトは、ロンドンを拠点とするアーティストのアダム・ブルームバーグが発起したもの。各プリントの価格は200ユーロ。販売収益はすべてNGO組織「Artists at Risk」に寄付され、ウクライナや近隣諸国のアーティストの安全を確保するための緊急渡航、避難、財政支援のために充てられるという。

 参加アーティストには、ヒト・スタヤル、ピエール・ユイグ、ナン・ゴールディン、アイザック・ジュリアン、リュック・タイマンス、エリザベス・ペイトン、マシュー・バーニー、ジェレミー・デラー、カミーユ・アンロ、シプリアン・ガイヤール、サーニャ・カンタロフスキーなど国際的に知られているアーティストも名を連ねている。

 いっぽう、コロナ禍の影響を受けたアーティストのために3000万ポンド以上の資金を調達した「Artist Support Pledge」プロジェクトの創設者マシュー・バローズは、アーティスト兼キュレーターのザヴィエル・エリスとともに、ウクライナの人々を支援するための「Ukraine Support Pledge」プロジェクトを立ち上げている。

 この1ヶ月間のプロジェクト(〜4月3日)に参加するためには、アーティストが販売価格200ポンド程度の作品の写真を、ハッシュタグ「#artistsupportpledge」を付けてインスタグラムに投稿することが求められている。1000ポンドの売上を達成するたびに、他の参加アーティストに200ポンドを使って作品を購入することを誓約する。

 3月21日の時点では9万ポンド以上の資金を調達しており、すべての収益はウクライナ危機救済基金に寄付されるという。

 また、アーティストたちだけでなく、美術館などの機関もウクライナを支援するための資金調達を実施。ベルリンの「新ナショナルギャラリー」は3月5日12時から6日24時まで寄付アクションを行い、36時間のあいだ7000人が来場し約25万ユーロの寄付を集めた。なおフランス文化省が、ウクライナのアーティストや文化関係者を受け入れるための100万ユーロの支援基金を設立している。