サン=ベルナール峠を越えるナポレオンが飲食配達員に変身し、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた貴婦人が白貂でなく、パスタやレンズ豆のパックを抱く。これらは、ウクライナの文化・情報セキュリティ省が始めたキャンペーン「Art of Quarantine(検疫のアート)」のポスターだ。
ウクライナの広告代理店「LOOMA」が制作したこれらのポスターは、古典美術の作品にマスクや医療用手袋など検疫期間中によく見られる要素を加えることで、新型コロナウイルスの拡散を防ぎ、安全を保つ方法を伝えるものだ。
《USE HAND SANITIZER(手指消毒液を使う)》と題された作品では、ミケランジェロの《アダムの創造》を借用し、神がアダムの手指を消毒する様子を表現。《SOCIAL DISTANCING(社会的距離)》では、ダ・ヴィンチの《最後の晩餐》に描かれたイエス・キリストがマスクを着用してひとりきり(ソーシャル・ディスタンス)で食事をとっている
これらのポスターは、世界的に起こっている、新型コロナウイルスによる感染曲線を平坦化させるキャンペーン「#FlattenTheCurve」にも使われている。今回の作品についてLOOMAは、「我々は病気の拡散を止め、世界中の最大数の人々にこのメッセージを共有することを目指している」とコメントしている。