マネックスグループ(代表執行役社長=松本大)が2008年から毎年実施している「ART IN THE OFFICE」プログラム。その最新作が披露された。
同プログラムは、マネックスグループ本社内にある1室を新進アーティストに作品制作・発表の場として提供することで支援するというもの。初回の坂口恭平以降、川内理香子(2014)、蓮沼昌宏(2015)、橋本晶子(2017)、金子未弥(2018)、吉田桃子(2019)などがそれぞれオフィスで大作を発表し、キャリアアップへとつなげてきた。
今年度は157の応募作品案のなかから、中田有美が選出。中田は1984年奈良県生まれ。2016年京都市立芸術大学美術研究科博士課程修了。これまでの主な展覧会には、「NEW JAPANESE PAINTING」(2020、MIKIKO SATO GALLERY、ハンブルグ)、「TO SELF BUILD」(2019、BnA Alter Museum SCG、京都)、「絵画の現在地」(2018、札幌大通地下ギャラリー500m美術館)、NEW INCUBATION 8 伊藤隆介×中田有美「ジオラマとパノラマ ――Diverting Realities」(2016、京都芸術センター)などがあり、現在は京都市立芸術大学油画専攻で非常勤講師を務めている。
中田は今回、作品制作にあたりマネックスの社員にオンラインでヒアリングを行い、様々な写真を素材として収集。それらをつなぎあわせることで、「出会いを待つ人の物語」として文章を書き起こし、巨大なコラージュ作品《Near and Far (IN THE OFFICE)》として結実させた。
なお審査員は松本大のほか、青木彬(インディペンデント・キュレーター)、荒木夏実(東京藝術大学准教授)、塩見有子(NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ [AIT / エイト] 理事長)、中野信子(脳科学者)が務めた。