1都3県に緊急事態宣言へ。公立美術館の臨時休館はあるのか?

1月7日にも発令されることが決定した1都3県への緊急事態宣言。昨年4月以来となるこの宣言によって、公立美術館などはどのような対応を迫られるだろうか?

東京都美術館

 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)において、1月7日にも緊急事態宣言が発令されることが決定した。

 菅総理は1月4日の年頭記者会見において、休業要請は「限定的、集中的に行うことが効果的」としており、飲食店などを対象とした限定的な措置をとる考えを示した。いっぽうで「不要不急の外出自粛」も叫ばれるなか、美術館などの文化施設はどのような対応を迫られるのだろうか。

 東京都美術館や東京都現代美術館など12の文化施設を管理する東京都歴史文化財団は、「現在発表されている記者会見の内容から汲み取れる情報から判断する限りでは、予定している各館の開館スケジュールや開催内容を継続できるのではないか」との見通しを示す。しかしながら、宣言の内容に具体的なイベント人数の制限などが盛り込まれれば、現在予定されているイベントの内容変更や中止の可能性もあるという。

 なお4日に行われた東京都の新型コロナウイルス感染症対策本部会議ではイベント開催について、「延期やオンライン開催、規模の縮小、無観客での開催」などを検討するよう求めている。

 3月からの長期休館を目前とした横浜美術館は、現時点では自治体からの具体的な連絡はないものの、要請があれば速やかに対応するとしている。また9日よりフランシス・ベーコンの展覧会を開催予定の神奈川県立近代美術館 葉山は、予定どおり開催に向けて準備を行っているという。

 感染拡大を受け、すでに12月24日から1月18日まで臨時休館している埼玉県立近代美術館は、休館延長については「検討中」。1月23日より開催予定の「コレクション 4 つの水紋」についても会期が延期となるかどうかはわからないという。

 前回の緊急事態宣言時には、多くの美術館はすでに臨時休館に入っており、今回とは状況が異なる。4日時点では、劇場や映画館などは入場制限の対象に含めない方向性が示されているが、いずれにせよ今後の緊急事態宣言の詳細な内容と、文化施設におけるガイドラインの発表が待たれる。

*内容を一部追加しました

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