今年3月に開業した高輪ゲートウェイ駅。この駅前広場に、12名のアーティストによる作品が登場した。
「JR EAST meets ART @ Takanawa Gateway Fest」と題されたこのプロジェクトは、東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)と一般財団法人カルチャー・ヴィジョン・ジャパン(以下、CVJ)が主催するもの。高輪ゲートウェイ駅前特設会場にて開催中のTakanawa Gateway Fest会場内で、仮囲い(フラットパネル)を活用したアートプロジェクトだ。
キャンバスとなるのは、約130メートルという巨大な仮囲い。12名のアーティストがそれぞれ「サステナビリティ」「都市」「開発」をテーマに現地で制作した作品を、無料で見ることができる。
参加作家は、狩野哲郎、坂本和也、佐藤翠、THE COPY TRAVELERS、菅隆紀、田内万里夫、田中秀和、中島崇、NAZE、松下徹、南川史門、リヴァ・クリストフ。わずか5日という制作期間のなか、それぞれが屋外の仮囲いという通常とは異なる条件で、新たな作品に挑んだ。
こうした仮囲いにアートを用いる手法は、再開発が活発な東京ではよく見られる。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が続く現在では、事情は異なる。
コロナ禍では、多くアーティストが展覧会など表現の場を失い、経済にも大きな打撃を受けている。今回の企画は、JR東日本がCVJの協力を得て、活動の場が制限されている若手を中心としたアーティストを支援し、表現の場を提供することに主眼が置かれた。
JR東日本常務執行役員の阪本未来子は、Takanawa Gateway Festを「将来のまちへの期待感醸成をめざしている」としつつ、「期間中、会場全体を盛り上げ、来場されたお客さまに楽しんでいただくだけではなく、アーティストの方々にとっても得難い体験となれば」と話す。
このプロジェクトを契機に、今後もJR東日本という巨大企業がアーティスト支援に取り組んでいくことを期待したい。